小児インスリン治療研究会について
第5コホート代表世話人のご挨拶
菊池 透(埼玉医科大学小児科)
菊池 透(埼玉医科大学小児科)
この度、インスリン治療研究会第5コホート研究の代表世話人に就任いたしました埼玉医科大学小児科菊池透でございます。この歴史ある研究会の代表を務めさせて頂くことは、身に余る光栄であり、その重責に身の引き締まる思いでございます。
インスリン治療研究会は、日本における小児糖尿病のインスリン治療の現状を把握し、共同でより良いインスリン治療法を研究し、小児糖尿病患者の長期予後の改善を目的とし、1994年、松浦信夫先生、佐々木望先生、雨宮伸先生が中心となり発足されました。その目的のために1995年から日本人小児期発症1型糖尿病の多施設共同コホート研究を開始しました。第1コホート(1995年コホート、世話人代表:北里大学小児科 松浦信夫先生)は、31施設481人の登録で始まり、後に45施設736人に拡大しました。第2コホート(2000年コホート、世話人代表:埼玉医科大学小児科 佐々木望先生)は52施設808人、第3コホート(2008年コホート、世話人代表:埼玉医科大学小児科 雨宮伸先生)は62施設859人、第4コホート(2013年コホート、世話人代表:東京女子医科大学東医療センター 杉原茂孝先生)は70施設1,076人が登録されています。第3コホートからは遺伝子研究プロジェクトも始まり、現在1,000人以上の1型糖尿病患者さんの遺伝子検体が集積されていました。これらの豊富なコホートデータからの研究成果は、22編の英文論文および多数の和文論文、ISPADなどの国際学会発表、日本糖尿病学会、日本小児内分泌学会などの国内学会で発表されています。
そして、第5コホートは、2018年3月に登録が開始され、80施設 1260症例を登録し、8つのプロジェクト研究が進行しております。このように、インスリン治療研究会は、日本の小児内分泌学領域で、最も歴史があり、最も規模が大きい多施設共同コホート研究であります。私が代表を務める2023年までの5年間、今までのコホート研究をさらに充実させ、国内外に研究成果を発信し、日本さらに世界の1型糖尿病の子ども達が現在よりももっと幸せな人生をおくれるように尽力いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
2019年6月吉日
小児インスリン治療研究会の代1~第4コホートにおける施設数と患者数
メンバーのご紹介
▼研究会創設の中心メンバー【撮影:2004年11月 ISPAD2004(第30回 シンガポール)で】
- 佐々木 望
- 松浦 信夫
- 雨宮 伸